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2018年インドの旅⑥-1

ウッタルカシ滞在中に5日間、チンマヤミッションからスワミ ・デーヴァットマナンダ師が来てくださり、シャンカラチャリヤの「サーダナ・パンチャカム」について講義を行ってくださいました。
 
シャンカラチャリヤは紀元後8世紀前半に南インドで活躍した哲学者で「不二一元論」※(アドヴァイタ)学派を作った方です。

※ふにいちげんろん と読みます。
 
シャンカラチャリヤはウパニシャッドなど複数の書物について解説を残しており、現在も哲学を学ぶ上で重要な人物とされています。
 
「サーダナ・パンチャカム」は、これからヨガを学ぶための心構えについて書かれた40節ほどの短い経典です。
サーダナは「修行」、パンチャカムは「5つの」といった意味で「修行するための5つの教え」となります。
 
講義はサンスクリット語でまず節を読むところから始まります。
ヴェーダ詠唱は無形文化遺産に登録されているので、伝統的な教え方なのかと感じました。
 
配っていただいた本は英語で、講義も英語で行われます。スワミジ達のお話を聞くと、講義や哲学に関する議論などはすべて英語で行われるそうです。
 
講義はテキストの内容の説明をしていただき、最後に質疑応答の時間がありました。テキストの内容についてはもちろん、それらを実生活でどのように活かすのか?といった問いにも明確に答えが返ってきます。
 
ヴェーダの哲学の世界は完成されているので、学派毎の考え方の違いはあっても、その考えに矛盾はないとされているそうです。
なので、スワミジからの回答も明確でストレートです。そこに曖昧な点はありません。
 
講義の時間外に「どうやったらスワミになれるのですか?」という質問がありました。談笑中で具体的な話にはなりませんでしたが、そのときに「聖典に対する自己矛盾をすべて解決した人」がスワミなのかな、と思いました。
 
聖典を読んでいても、理解できなかったり納得できなかったりする箇所があるかと思います。
その矛盾を自分の中で解決・納得するまで突き詰められた人が、スワミになるのではないかと。
「聖典にこう書いてあるけど、僕はこう思うよ」ではスワミではないのかな、と感じました。人を導く立場の人間に迷いがあってはならい、厳格な世界と感じました。
 
長くなったので [2018年インドの旅⑥-2] に続きます m(_'_)m