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「ホモ・デウス(下)」読了しました

ホモ・デウスの下巻も読み終わりました!
期待した脳科学のことについては、意外とあっさり目で文量的には少なかったですが、期待した以外のところでいろいろ勉強になった感じ。
 
「経頭蓋刺激」という治療があるようです。
例えば「うつ」の症状のある方の頭部に電極を埋め込み、症状が出たときに、うつを引き起こしている脳領域に微弱な電流を流すことで麻痺させると、すべての人ではないにしろ「うつの症状が魔法のように消えてなくなった」という結果も出ているそうです。
ある患者さんは、電極を入れて症状が改善してからしばらくして、またうつが再発したそうですが、しらべてみると装置の電池が切れていて、電池を交換すると症状が解消されたとのこと(^_^;)
 
また、電極を埋め込むのではなく、ヘッドギア方式で「経頭蓋刺激装置」というものも開発されています。
倫理的な問題から実験は簡単にはできませんが、軍の実験にジャーナリストが参加し、軍のシミュレーションを行ったところ、ヘッドギア無しで行った実験ではパニックに陥ったそうですが、ヘッドギアをつけての実験では、冷静に対応でき、本人的にはアッという間に時間が経ってしまったそうです。
 
で、私が読みたかったところはここからで、このジャーナリストさんは、それからしばらく「頭の中が突然、信じられないほど静まりかえった」と語っています。
彼女は言っています「自己不信と無縁の自分の脳というのは新発見だった」「私の心には怒りと小鬼たちが住みついていて、私を怖がらせて、やりもしないうちから物事を諦めさせてきたけれど、やつらを別とすれば、私は何者だったのか?そしてあの声はみな、どこから聞こえてきたのだろう」
 
著者は「経頭蓋刺激装置」はまだ成熟したテクノロジーではなく、このジャーナリストさんの体験も例外中の例外かもしれない、と書いていますが、脳のどこが働くのか、または働かないのかの組み合わせで、深い瞑想と同じような体験を得られるということであれば、逆に瞑想する際の目指すべき方向を示す、ひとつのヒントになるのではと考えます。
 
脳の状態と瞑想については「脳はいかにして<神>をみるか」に詳しいです。
2003年の本ですが、興味のある方は是非^^
 
ホモ・デウスには、他にも脳や意識についての記述はあましたが、科学雑誌「ニュートン」の「脳といしき」というムックが出ていて、これにほぼ同じようなことが書いてあります。
ホモ・デウスは読むのに時間が掛かるので、脳科学に関する部分だけ興味のある方はこちらを薦めします。
 
「サピエンス全史」「ホモ・デウス」を通じて、部分的な知識というより、長い人類の歴史を俯瞰することで、世の中の見方や接し方、考え方を掘り下げることができたように感じます。
これらの本に書いていることを鵜呑みにするのではなく、ひとつの考え方としての指針として有効だと思いました。
 
正直お金も時間も掛かることはありますが、自分への投資と考えたら、4冊そろえても8千円でこれだけの知識に触れられると考えたら、お安いのではないでしょうか^^

みたいな(=゚ω゚)ノ