自分に影響を与えた作品②

「今の自分に影響を与えた作品」の第二弾

 

 

『セイバーキャッツ』1989年 山本貴嗣 著

 

SF作品ではありますが、SF要素はあまりストーリーには関係なく、父の仇を取るために中国武術の修行をして敵に挑む、みたいな感じ。

 

こう書くと少年JUMP的なイメージを持たれそうですが、主人公含め周りもみんな大人なので、落ち着いた雰囲気。

ちょっと武侠小説っぽいかも。

 

作者が武術への造詣が深く、登場人物も実際の武術家のモデルがいらっしゃいますので、舞台は近未来ですが武術的なところはリアルです。

 

未来の世界で様々な伝統が失われていく中、武術も例外ではなく、真の伝承は失われようとしています。

武術とはなにか?

技の伝承とは?

どのような姿勢で臨むべきなのか?

 

この漫画を読むことで、老師や諸先輩方の言動というか、スポーツマンとは違う雰囲気というか、武術に取り組む姿勢を学んだように思います。

 

最後の戦いで、主人公は「心の放松(ファンソン)」という言葉を口にします。

 

ファンソンとは簡単に言うと中国武術や気功の基本で、身体の余分なチカラを抜いて脱力すること。

 

そうすることで人間が本来持っている構造のチカラを引き出し、気血の循環を促します。

 

優れた武術は、その型を正確に行いファンソンすることで、身体の中に感覚(例えば丹田)を見出す、あるいは養成することが出来るようなシステムが組み込まれています。

 

このように「ファンソン」とは本来フィジカル、肉体的なものに対する要件ですが、主人公は父の仇との戦いで「心のファンソン」を口にします。

 

恨み・怒りといった感情を捨て、無心で、ただ覚えた技で対応する…。

 

そうすることで、相手に逆らわず、流れの中で技を返していく。

本来の自分の実力を出すことが出来る。

 

この「心のチカラを抜く」感覚は、瞑想をするようになって、感じられるようになりました。

 

呼気と共に身体のチカラを抜き、次に頭の中、脳みそも緩めていくような感じ。

 

そうすることでストレスというか緊張というか、思考がクリアーになって瞑想が深まるように思います。

 

自分の瞑想が深く入れるようになったキッカケだったと思っています。

 

身体のリラックスの延長線上に、心のリラックスもある。

 

まさにハタヨガのシステムなのかな、と。

 

この漫画は、ちょっと昔のいわゆる武術ヲタクなら誰でも知ってる、でもそうでなければ誰も知らない、みたいな感じ。

 

僕は面白いと思うけど、皆さんにとってどうかは。

 

興味のある方は是非。

 

みたいな(=゚ω゚)ノ