私の武術の老師はお茶目な人でした。
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私の入門する何年か前までは、常にピリピリしていて、とても話掛けられるような雰囲気ではなかったらしいのですが、ご結婚されてから丸くなられたそうです。
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そんな老師が、私が入門して一年くらい経った頃から、練習中に「うりゃ!」と言ってパンチをしてくるようになりました。
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パンチと言っても、PUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」のときのようなゆる〜い感じなので
「老師、かまってちゃんなのかな?」
と思い、教えてもらった技で捌いて突きを返す、みたいなことを繰り返していました。
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最初はふざけてるんだろうと思っていたのですが、毎回10分くらい、それが3ヶ月くらい続きました。
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そんなある日、老師のパンチを捌いていたつもりだったけど、実は捌けてない、老師がパンチを止めてるだけなんじゃないか?ということに気づき、老師に、
「もしかして僕、捌けてません?」
と聞くと
「やっと気づきましたか」
と言って、それ以来「うりゃ!」は無くなりました。
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私が気づくまで3ヶ月間、待ってくれた、のかな?。
おかげでこのことは言葉で説明されるより深く身に付いたと思います。
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こういう指導法もあるのかと、なんでも理屈で説明しがちな私は、たまに思い返す次第です。
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だいたいそんな感じ(=゚ω゚)ノ
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