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禅の瞑想の手引き書

『天台小止観』という仏教書があります。

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本書の解説に拠れば

「仏教史上に現れた最も懇切な坐禅の指導書」

だ、そうです。

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坐禅をされている方に多く読まれているようです。

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この本の序章に、

「涅槃の真法は、入るにすなわち多途(たず)あれど、

 その急要を論ずれば、止観の二法を出ず」

と、あります。

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意訳すると、以下な感じ。

「悟りに至る道はたくさんあるけど、最終的には止観の2つに尽きるよ」

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「止」とは、心の働きを止めることで、外界の事象や感情に揺り動かされない状態になること。

ある対象に集中することで、その状態になろうとすること。

八支則のダーラナー(集中)と同意義と捉えて良いでしょう。

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「観」は「止」の状態、澄んだ状態で、物事をありのままに観ること。

そうすることで「智慧」が備わってくる。

その「智慧」が涅槃、悟りへと導くのだと考えられています。

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「観」の状態は八支則のディヤーナ(瞑想)と仏教では心の持ち用というか、背景となる哲学が異なるので完全にイコールとは言えないようですが、集中(止)瞑想(観)三昧(涅槃)という流れは共通しているとの認識で良いのかと思います。

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『ヨーガ・スートラ』含め、インドのあらゆる宗教・哲学・瞑想などのメソッドは、仏教成立後は、仏教から多大な影響を受けました。

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チベット仏教・密教・中国に伝わった仏教とその影響を受けた道教、もちろん日本の瞑想もその影響下にあります。

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『天台小止観』の本は解説付きのも買ったのですが、この手の本は、原文のことを書いてるのか、著者の意見・感想なのか、わからないものがあり、まず原文を理解しないと解釈を誤る可能性があると感じます。

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岩波文庫は読みやすくは無いですが、原文に注釈も付けてくれているので、普段哲学書を読んでいればなんとか理解出来る感じ。

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『ヨーガ・スートラ』がヨガの瞑想の手引き書なら、『天台小止観』は禅の瞑想の手引き書。

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読み比べてみるのも、面白いかも。

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みたいな(=゚ω゚)ノ